原爆投下について８月になると毎年思うこと。薄っぺらい特番を見た子供達が、将来再び原爆を落とす。

広島・長崎の原爆投下について。

毎年８月になると、テレビでは原爆に関する特番が組まれます。そして、テレビでは、「日本が一方的に被害者で、アメリカが完全に悪」という構図でしか歴史は語られません。

ここで誤解のないように言っておくと、何も私は原爆投下肯定論を論じたいわけではありません。原爆投下は明らかに間違っていたし、非道なものだった。そんなことは明らかです。

ただ、そこに至るまでの過程も知らずに、ただ単に原爆を否定しているようでは、何の意味もないのです。原爆はダメ、そんなことは誰でもわかる当たり前のこと。当時の状況をいかにリアルに想像し、その上で原爆をしっかり否定することができるかが重要なのです。

例えば、今日本中で、「戦争が起こればまた原爆を使うべきか？」というアンケートを取ったとしましょう。おそらくほとんどの人が、NOと答えるでしょう。唯一の被曝国である日本は、原爆の使用を断固として拒否するでしょう。

では、仮に今後北朝鮮がミサイルを日本に打ってきたとしましょう。日本だけでなく、周辺国に無差別に攻撃を開始したとしたとします。国連の警告にも応じず、ただただ暴走して攻撃を続けます。毎日犠牲者が増えていきます。

ここで、再度「今北朝鮮に原爆を使うべきか否か？」というアンケートを取ったとします。おそらく、一定数の人口が、Yesと答えると思いませんか？平和な中で取ったアンケートとは、確実に大きく違った結果になるはずです。

つまりそういうことだと思うのです。ここまでリアルにイメージした上で、それでも原爆はダメなのか？どうしてダメなのか？ということを深く考え、答えを出して初めて、原爆を否定したことになるのです。

単に、原爆というものが良いか悪いかの話では無いのです。テーマはもっと深くにあります。

ここで、実際に日本に原爆が落とされるに至った原因について考えてみましょう。

まず、当時の日本は、今で言うところの北朝鮮のような立場にありました。国際法を無視し、無差別に攻撃を続け、周辺国をどんどん植民地化していました。威嚇にとどまっている北朝鮮より何十倍もひどいです。

世界的にみて、日本は完全に悪でした。暴走し続ける日本は、憎しみの対象であったに違いありません。

再三の警告にも応じず、勝てない戦争を意地で続け、互いの犠牲者を増やし続けます。特攻で道ずれにし、少しでも相手を殺すことを目的とします。

こういった状況下で、日本に原爆を投下することに対し、肯定する人の方が多かったというのは、何も不思議なことではありません。

それでも、こういった状況下の中で、原爆を否定する人は少なからずいたのです。この少数の否定派こそ、真の原爆否定者でしょう。

では、他の側面を見てみましょう。

原爆は、日本の暴走を止めるためにやむをえず打った。これは、100％間違いとまではいかなくても、少し強引な主張です。

原爆投下には、日本への憎しみであったり、原爆を試したいという欲であったりが必ずあったはずです。また、投下の数日前にロシアが参戦を表明したことは知っているでしょうか。原爆投下には、ロシアの参戦で勝利の取り分が減ることを嫌がった、といった側面もあるのです。

これらのアメリカ側の主張を見てみると、今度は憎しみが湧いてきませんか？勝手な都合で原爆投下をしてのか？と。ここでアンケートをとれば、ほとんどの人が強い原爆否定の意思を示すでしょう。

つまり、何がいいたいのかというと、無知をもって本質を語ることはできないのです。本当の意味で原爆を否定するには、都合の良い事実だけでなく全てをリアルに伝えた上で、それでも原爆を否定する主張をすべきなのです。

テレビの特番では、日本は原爆被害者であることしか伝えられません。そしてそれをみた子供達は、その表面上の要因のみで、原爆はダメだ、と、薄っぺらい判断を下すでしょう。

そして月日が流れ、北朝鮮が暴走したとします。かつての子供達は言うでしょう。「北朝鮮に原爆を打て」と。